富山交番襲撃 一歩間違ったら自分の子も…一夜明け、小学生の保護者らに改めて恐怖広がる(産経新聞)

富山市中心部で交番勤務の警察官ら2人が男に刃物や拳銃で襲撃されて死亡した事件から一夜が明けた27日、現場周辺は富山県警の捜査員らが鑑識活動にあたるなど物々しい雰囲気が続いた。警備員の男性が犠牲になった近くの小学校は臨時休校となったが、保護者らは「一歩間違ったら子供たちも被害に遭っていたかもしれない」と表情をこわばらせた。

 富山中央署奥田交番から約100メートル離れた市立奥田小学校。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された元自衛官、島津慧大(けいた)容疑者(21)が、同校の改修工事の警備に当たっていた中村信一さん(68)を正門付近で銃撃したため、この日は富山県警から現場保存の要請を受け臨時休校に。同小の正門前には花が供えられていた。

 普段は児童らが元気に歩く様子が見かけられる午前8時ごろになっても、周囲は閑散として、静まりかえっていた。

 孫の男児(7)が奥田小の1年生だという近所の女性(70)は「孫は昨日は興奮して帰ってきて、夜もなかなか眠れないようだった。事件のことは早く忘れてほしいが、亡くなった方のことを思うと気の毒だ」と沈痛な表情。40代の主婦は「3年生の息子がいる。校内まで入られていたら児童も襲われていたかもしれず、ものすごく怖い」と改めて恐怖を口にした。

 富山市教育委員会によると、28日以降も同小が授業を再開するかは未定。要請があればスクールカウンセラーの派遣も検討するが、これまでに精神的なケアが必要な児童がいるとの報告は同小側からは受けていないという。

 稲泉(いないずみ)健一警部補(46)が殺害された奥田交番の入り口には、昨晩から引き続きブルーシートが掛けられたままで、内部の様子はうかがえなかった。午前10時ごろには、島津容疑者の侵入経路とみられる交番の裏口周辺で、警察犬を使った鑑識活動も始まった。

■容疑者宅 近隣住民ら戸惑い

 富山県立山町の島津慧大容疑者の自宅周辺は、田畑が広がり、民家が点在する静かな場所。事件から一夜明けた27日、富山県警が自宅を家宅捜索。近所の住民らからは驚きや戸惑いの声が聞かれた。

 「まさか地元の子がこんな事件を起こすとは。まだ信じられない」。近くに住む60代の男性は27日朝、動揺した様子で語った。

 近隣住民らによると、島津容疑者は両親、姉と20年ほど前から、自衛隊に入隊する平成27年3月まで今の自宅で生活していた。

 近所の70代男性は「小さいころは地元のソフトボールに参加したこともあったが、中学に進んだころからあまり見かけなくなった」と振り返る。

 地元の中学では欠席がちになり、知人の男性は「家庭内で暴力をふるったことがあるようだ」と証言する。同町に住む女性(77)は「家庭内でいろいろあったようで、親と話すことがあっても、子供のことはあまり聞かないようにしていた」と明かした。

 自衛隊を退職後は、自宅に戻り、アルバイトをしながら生活していたとみられている。以前は、飼い犬の散歩をする姿もしばしば目撃されていたが、近隣住民は「自衛隊から戻ってきてからは、何をして生活しているのかよくわからなかった」と口をそろえた。